FLOWERアート&デザイン協会(FADA)と、イタリアを代表するカーブランド「FIAT」がコラボレーション。2011年12月27日から2012年2月7日まで、フラワーイベント「Share Flowers 花でつながる、花でひろがる。」が、東京・青山FIAT CAFFEで開催されています。FADA会長を務めるフラワーアーティスト、Massa Nakagawaさんと現代アーティストのミレイヒロキさんが手を組んで、人と花のつながり「Share Flowers」をテーマに新空間を生み出しました。
2012年1月14日から1月19日、一流のカーブランドと花、人、アートが融合したこのスペースで、「第1回FLOWERアート&デザイン協会作品展」が開催されました。国際的に活躍できるフラワーアーティストの育成を目指すFADAが行なったはじめての作品展で、期間中は予選通過者の作品がFIAT CAFFEを美しく彩りました。
1月19日には審査発表会が行われ、アレンジ部門、ブーケ部門、タペストリー部門の3部門から特に優秀と認められた作品に各賞が贈られました。審査員、来場者による一般投票、facebook投票によって決定した受賞作品をはじめとする全89点の応募作品が、審査発表会に集まった多くの人たちにフラワーアート&デザインの魅力をあらためて伝えてくれました。
審査発表会のあいさつでMassaさんは,「FIATの協力を受けて、第1回目のFADA作品展が開催できたことはほんとうに素晴らしいことです」と思いを語りました。「花は一度自然を離れると、人となります。つくった人がより強く感じられる花を、受賞作品として選びました」。フィアット・カントリー マネージャーのティツィアナ・アランプレスさんは「ありがとうのひと言です」と喜びを表しました。「イタリアには『言葉よりも花で話してください』という表現があります。『Share Flowers』を通じて、FIATがフラワー、アートとコラボレーションできたことはとてもうれしいことです。グラッチェ!」
授賞式ではプレゼンターを務めた各審査員から作品についての講評が述べられ、当日出席することができたフラーアーティストの皆さんから、受賞の喜びの声が聞かれました。
審査発表会の終了後は、Massaさんとティツィアナさん、審査委員も務めた浅葉克己さん(一般社団法人デザイナーズスキル認証機構理事・浅葉克己デザイン室)と猪子寿之さん(一般社団法人デザイナーズスキル認証機構理事・チームラボ株式会社代表取締役社長)をパネリストに迎え、ミレイヒロキさんを進行役に特別トークショー「アートのこれからの役割」が行われました。リラックスしたムードの中、アートに関する刺激的なトークが繰り広げられました。
場所を地下のFIAT SPACEに移して行われたデモンストレーションでは、スペースデザイナーの新井良平さんが生み出した幻想的な空間に、ウクレレ奏者の今井愛彦さんの音楽が鳴り響きました。ライブ演奏をBGMに、真っ白なボードを前にしたミレイヒロキさんが黒い絵の具を使って、おもむろに花の輪郭を描き始めます。
絵の前に立ったMassaさんは巨大な古木を器に、力強く太い枝を活けていきます。空間に豪快に現われるいくつもの曲線。古木に新しい生命が与えられる瞬間です。そして枝に花を活け、色をつけていきます。野趣な雰囲気に赤と橙の色彩が加わることで、作品が完成に近づいていきました。
Massaさんの動きに呼応するように、ミレイヒロキさんが花の輪郭に色をつけていきました。音楽の響きに合わせて、ときに激しく絵の具を散らします。やがて絵に立体的なパーツが取りつけられました。4つのパーツが組み合わさったとき、いちだんと大きな花の輪郭が現われました。そこにミレイヒロキさんが、情熱の絵の具で色を与えます。
絵の余白に「Share Flowers」のロゴがプリントされ、ミレイヒロキさんはMassaさんの作品が置かれた床の部分にも絵を描き始めました。それは作品と作品をしっかりとつなぐ茎の絵でした。フラワーとアートがつながった瞬間、音楽も一体感を増し、会場を埋め尽くした人々の心も確かにひとつにつながった気がしました。Share Flowers。その思いが満ちあふれた夜でした。
「第1回FLOWERアート&デザイン協会作品展」に参加してくださったフラワーアーティストの皆さん、そして会場に足を運んでくださった方々にお礼申し上げます。どうもありがとうございました!